宮城県大崎市鳴子温泉鬼首

森の育む水が、おいしいお米をつくる。

大崎市の中央を流れる江合川上流に水源涵養の森を育み、下流の米づくりと多様な生物の共存を支えます。

宮城県大崎市について
宮城県大崎市は東西に約80kmの長さを持ち、まちの中央を流れる江合(えあい)川と鳴瀬(なるせ)川の下流域には、広大で肥沃な米どころが拡がり、奥羽山脈に抱かれた山間の上流域には、「鳴子温泉郷」や、紅葉の景勝地「鳴子峡」があります。

米どころには、冷害や洪水など厳しい農業条件の中で育まれた独特の農業システムが拡がり、水田や水路、そして、水田の中に浮かぶ森のような屋敷林「居久根」は、多様な動植物が生息する豊かな生態系を生み、美しい農村景観を形成しています。

こうした持続可能な水田農業を支える「大崎耕土」の伝統的水管理システムは、未来に残すべき「生きた遺産」として2017年に
世界農業遺産に認定されました。

一方、平野部の田尻地区では、渡り鳥と農業の共生を図る「ふゆみずたんぼ」による 米作りが行われており、ラムサール条約湿地
「蕪栗沼・周辺水田」は、世界有数のマガンの飛来地です。


水を育む豊かな森づくり
2014年、大震災からの復興を目指してスタートした「Present Tree inみやぎ大崎」は第四弾の協定を締結、新しい植栽地は、鬼首カルデラ外輪山の最高峰「禿岳(かむろだけ)」の麓、栗駒国定公園内に位置しています。この地には、戦後の拡大造林時代に植えられたスギの人工林が拡がっており、伐期を迎えています。

「Present Tree inみやぎ大崎」は江合川上流(荒雄川)に拡がるこの伐採跡地を再生するため、「鳴子こけし」の材料となるミズキをはじめ、地元植生の落葉樹を植えて、美しい紅黄葉が楽しめる針広混交林を育てていきます。

この森は、やがて綺麗な水を育み、生き物たちのいのちの源となると同時に、下流の米づくりと水鳥を頂点とする湿地の生態系を支えていきます。

プロジェクト概要

目的:
水源涵養林の育成・生物多様性の保全
協定期間:
2023年7月24日~ 2043年7月24日
所在地:
宮城県大崎市鳴子温泉鬼首禿岳
管理者:
大崎森林組合
地積:
18ha
樹種:
ミズキ、ミズナラ、カエデ、カラマツなど
  • 世界農業遺産に認定された「大崎耕土」(写真提供:大崎市)
  • 紅葉で有名な鳴子峡
  • 紅葉が美しい鳴子ダム
  • 植栽地からの風景
  • 岩出山地域にある明治21年に建てられ「凛菜(りんさい)・上(うえ)の家」
  • 宮城県内では唯一の天然スギ林
  • 芭蕉の「奥の細道」でも有名な「尿前(しとまえ)の関」
  • 鳴子温泉発のレトロラッピング車両(JR陸羽東線)

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