さんむ日向の森 千葉県山武市

自然と共生、「循環」の森づくり!

森と海の暮らしが近い、自然の恵み豊かな千葉県山武市。
かつて里山と里海の生活を結んでいた銘木サンブスギの森は、さんむ地域の風土を形づくる象徴です。
持続可能であるために、森に手を入れ、森の恵みを余すことなく利用した先人たちの知恵を未来につなげ、
自然と共生する「循環」の要としての森をつくる、未来に贈るエコアクションです。

自然の恵み豊かな山武地域
山武(さんむ)市は、千葉県の東部に位置し、日本有数の砂浜海岸である九十九里浜のほぼ中央で約8キロメートルにわたって太平洋に面し、海岸地帯には砂浜と松林が連なり、平地地帯は中央部に広がる肥沃な土壌を持つ九十九里平野で、田園地帯を形成しています。山武市は、稲作はもちろん野菜や果実の生産も盛んで、サンブスギなどの林産物、九十九里浜の海の幸と、自然の恵み豊かな地域です。近年では、都心からの交通アクセスの利便性も向上し、自然環境の良さからもこの地域を訪れ、移り住む人々も数多くいます。

山武の宝、暮らしと一体だったサンブスギの森
山武地域は銘木で知られるサンブスギの産地です。サンブスギの森は畑の風除け林を兼ね、下草は堆肥に、枝や葉は貴重な燃料として適量が余すところなく使われ、森の恵みは日々の暮らしに欠かせないものでした。かつては九十九里浜の鰯船や江戸の建築材料の供給地として栄えた山武林業でしたが、戦中戦後の乱伐によって多くの資源が失われました。

それでも、山武の繁栄は鬱蒼と茂るサンブスギの森にあると信じて、山武林業の発展に情熱を傾けた先人たちのおかげでサンブスギの森が残されました。雨が少なく杉には不適といわれる風土に、先ず乾燥に強い松を植え、環境を整えてから杉を植える、松、杉の「二段林」という山武林業独特の造林法も生みだされました。しかも松や杉が小さいうちはその間に農作物をつくる「木場作(こばさく)」も行われ、農業と林業を兼ねた、土地の力をフルに活用する知恵が山武の風土を形づくりました。

サンブスギの森は雨を貯え、九十九里浜に至る広大な農地を潤し、海の魚を肥やす源です。山武の木を植えた男たちが残してくれたサンブスギの森は、私たちの暮らしに必要な水、建材、燃料をつくり、木にまつわる仕事と木の文化をはぐくんできた山武の宝です。

100年後への贈り物、さんむ日向の森
私たちの暮らしが森との関わりを失って、サンブスギの森は元気をなくしました。現在の森林の中には戦後の一斉造林で短期の木材生産を目的に過密に植林され、その後放置されてしまったものが少なくありません。家庭の燃料が石油やガスに変わり建築にも外国産材が使われるようになると、人の暮らしとのつながりを失った森林は間伐もされず荒れてきました。

「Present Tree for さんむ日向の森」では、松、杉の「二段林」の復活など先人の知恵を未来へつなぐ試みも含め、里山の自然循環の要としての森づくりを目指します。里山の四季を愛でる花の咲く樹、鳥や動物たちの集まる実のなる樹、シイタケの原木や薪炭になる樹なども植えて、人と森との関わりを体験する里山活動の拠点となることを願って。

プロジェクト概要

目的:
里山活動の拠点づくり
協定期間:
2011年6月30日~ 2021年6月29日
所在地:
千葉県山武市大字森朏台
管理者:
千葉森林組合
地積:
1.84ha
樹種:
サンブスギ、スギ、アカマツ、 シラカシ、ケヤキ、ヤマザクラ コナラ、クリ
  • 植栽地の様子(開始当初)
  • 植樹の様子
  • 植樹の様子
  • 植栽地の様子(2014年)
  • 植栽地の様子(2016年)
  • 植栽地の様子(2018年)
受付終了
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